柑橘日記

日々の雑記です

六日目

 睡眠時間の不足は脳の出力を落とす。

 

 問題処理のスピードが体感で本来もとの七割程度に低下しており、身体が記憶している速度感が出ないことに微かな苛立ちを覚える。幻視した己が動きの理想いつもを、現実いまが鈍鈍と追い縋るのは見苦しいものである。

 

 充分な睡眠時間を確保するため、翌朝早くから起きなければならない時はさっさと寝る……などという子供じみた宣言はあと何度繰り返したら実行に至るだろうか。喉元過ぎればなんとやら。明日にはしれっとまた夜更かししている自分が想像に難くないのが、今はまだ恨めしいものだ。(この恨めしささえ、明日には単なる過去に希釈されるだろうが)

 

 

 

 読書を趣味にしたいと思っては失敗に終わることを何度も繰り返している。

 忍耐のない身にとって、読書とはそのお供に淹れた紅茶を嗜む口実、あるいはもう百回は読んだ小説の冒頭部分を目でなぞって「前読んで知ってる文と変わってない」と思い出す儀式だ。物語はその最深到達点を更新されることもなく、再び閉ざされしまわれるのだ。

 幸いなことに、自分の物語じんせいは未だ飽きることなく楽しめている。生きていると思わぬ因果(或いは自業自得)で腰を抜かす出来事に巻き込まれることもある。いつか気が向いたら過去の出来事をベースにした小説を書きたい…とまで書いたが嘘だ、そんな気はするわけがない。一度きりの体験であればこそ面白いものを、わざわざ簡単に反芻可能な媒体にしては興醒めだろう。

 

 そう考えると何を小説にするのが良いだろうか。日々のブログでヒントが降りてくるのを祈るばかりだ。

 

 

 

 

 今回はこれにて御免。